新幹線の安全を守るために.

東海道新幹線は,1964年開業当時から路盤が抜本的に改良されているわけではないにもかかわらず,1日あたり約360本の列車を運行し,約45万人の旅客を,開業以来,運行事業者の責任では一人の死者を出しただけで安全に運行しています.この安全を保つためには,常に最新の技術を用いてその予兆を発見・対処する必要が有ります.

さらに安全性を高めるため,JR東海ではかねてから,通常の車両に搭載できる軌道検測装置を開発していましたが,さらに検測項目増加,高精度化,小型化が進められた装置が開発されました.軌道状態をきめ細かく検測することで,さらなる乗り心地の向上を狙います.

また,2017年12月11日に起こった台車破断事故の教訓を踏まえ,その前兆となる台車温度を検知する装置が追加されます.指令でのモニタリングができるようになります.

さて,新幹線の安全を保つための取り組みとして,「ドクターイエロー」が思い浮かばれる方も多いと思われます.しかし,現在のドクターイエローは旧700系をベースとしており,製造から15年以上経過しいつまでも使うわけにはいきません.

さらなる新幹線の安全を求めて,ドクターイエローを新造するか,センサーを搭載した通常の車両をより頻繁に走らせるか,JR東海・西日本の今後の判断に注目したいです.

なお,JR九州ではセンサーを搭載した通常の車両で検測しているため,「ドクターイエロー」のような専用車両は有りません.また,東北・上越系新幹線では,検測専用車両「East-i」があるほか,近年製造された車両に検測機器が搭載されているのではないのかいう噂が有ります.